今までの【沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン】には7種類の肺炎球菌の成分が含まれていました。
そして新しく承認されたプレベナー13【沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン】には新たに6種類の抗原が加わり、計13種類の肺炎球菌の成分が含まれます。これにより侵襲性肺炎球菌感染症をより広範に予防効果が期待出来ると考えられています。
肺炎球菌による重篤な感染症の約75%はプレベナーに含まれる7種類によって引き起こされていました。プレベナーの普及によりこれらの発生が減少したことで、ワクチンに含まれる7種類以外の肺炎球菌による感染症の割合が増えるようになりました。
現在はプレベナーに含まれる7種類が肺炎球菌による侵襲性感染症の約37%を、プレベナー13に新たに含まれる6種類が約30%を引き起こしていると考えられています。ワクチンを変更することで、これら6種類にも予防効果が期待出来るようになると考えられています。
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれるもので、主に気道の分泌物により感染を起こします。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。
特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。
また、小さい子供ほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
安全性と効果は実証済みです。
小児肺炎球菌ワクチンは世界の約100カ国以上で承認されていて、すでに50カ国で定期接種に導入されています。
接種後に受けた子どもの約10%に38度以上の熱が出ます。ほとんどは何もしないでも1日で治まりますが、顔色や機嫌が悪い場合は受診してください。また接種したところが赤くなったり、しこりができたりすることもあります。